不動産を売って買う「買い替え」の流れと注意点
- 鮫島亮太

- 2025年12月3日
- 読了時間: 5分
はじめに:なぜ「買い替え」は難しいのか?
不動産の買い替え(住み替え)は「売却」と「購入」を同時に考える必要があるため、初めての方にとっては複雑に感じやすい手続きです。
特に以下のようなポイントで多くの人が悩みます
売ってから買うのか、買ってから売るのか?
住宅ローンが残っているけど売れるの?
引越しのタイミングはどうすればいい?
こうした悩みは、適切な情報と事前準備によって、リスクを抑えながら乗り越えることが可能です。この記事では、不動産の買い替えにおける基本的な流れと、注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
1. 買い替えの基本パターンは2つ
不動産の買い替えには、「売り先行」と「買い先行」という2つの基本的な方法があります。どちらを選ぶかによって、必要な資金やスケジュール、リスク管理のポイントが大きく変わってきます。
1-1. 売り先行(先に売却してから購入)
特徴: 自宅を先に売ってから、その売却資金をもとに新居を購入する方法です。
メリット: 売却金額が確定してから購入に移れるため、資金計画が立てやすく、無理のない範囲での購入が可能になります。また、現在の自宅の住宅ローンを完済し、ローン負担を軽減したうえで新しい住宅ローンに切り替えられることも大きな利点です。
デメリット: 自宅の売却後に新居が見つからない場合、仮住まいや二重の引越しが必要になる可能性があります。特に子育て世帯や高齢者の場合、住環境の一時的な変化が大きなストレス要因になるため、事前のスケジュール調整が重要です。
1-2. 買い先行(先に購入してから売却)
特徴: 気に入った物件が見つかった段階で購入を先行し、その後に現在の自宅を売却する方法です。
メリット: 新居を確保したうえで、じっくりと売却活動を進められるため、仮住まいの必要がなく、引越しのタイミングも柔軟に調整できます。子どもの学区や勤務先の通勤圏など、条件を妥協せずに物件選びができる点も魅力です。
デメリット: 売却までに時間がかかると、住宅ローンが二重になる可能性があります。これは「ダブルローン」と呼ばれ、金融的な負担が増すため、資金計画が甘いと家計を圧迫するリスクがあります。
⚠️住宅ローンが残っている方が買い先行を選ぶ場合、「住み替えローン」や「つなぎ融資」が必要になるケースがあるため、事前に金融機関と相談が必要です。
2. 買い先行の流れと注意点
買い先行は、仮住まいが不要でスムーズに住み替えができる一方で、住宅ローンの2重支払い(ダブルローン)や売却の遅れによる資金不足など、慎重な計画が求められる方法です。なお、売り先行は基本的に通常の売却と同じ流れで進むため、詳細は別記事『不動産売却の流れと必要書類』をご覧ください。
以下は、買い先行での一般的な流れです
購入物件の選定と仮審査:住み替え先として希望するエリアや条件をもとに物件を探し、住宅ローンの仮審査を通して予算を確認します。
購入の申し込みと契約:希望物件が見つかれば購入申し込みを行い、条件交渉を経て売買契約を締結します。
住宅ローンの本審査と決済:売買契約後にローンの本審査を行い、通過後に決済・引渡しを受けます。この時点で新居の所有権を得て、引越しが可能になります。
旧居の売却活動開始:新居の契約と引越しが完了した後、現在の住まいの売却活動をスタートします。住みながらの内覧対応が不要になるため、スムーズに販売しやすくなるメリットもあります。
売却完了・住宅ローンの返済:売却が完了すれば、旧居の住宅ローンを完済し、必要に応じて住み替えローンやつなぎ融資の精算を行います。
3. 買い替えの注意点と対策
3-1. 資金計画を甘く見ない
買い替えでは、売却によって得られる「手取り金額」が次の購入資金に大きく影響します。査定額が高くても、実際の売却価格は市場動向や交渉によって変動しますし、さらにそこからローン残債や仲介手数料、登記費用などを差し引く必要があります。
また、新居購入時には頭金に加え、印紙税・登記費用・火災保険などの諸費用も必要です。これらを踏まえたうえで、無理のない予算設定が重要です。
3-2. ローン残債があるときの注意
売却する自宅に住宅ローンの残債がある場合、売却時に「抵当権」を抹消する必要があります。これは、金融機関に残債を一括返済することで実現します。
もし売却価格がローン残債を下回る場合には、不足分を自己資金で補うか、金融機関の「住み替えローン」などを利用して対応することになります。このローンは、売却物件の残債と新居の購入資金を合わせて借り入れる方法で、審査はやや厳しめです。
3-3. 引越しスケジュールの調整
売却と購入のスケジュールがずれると、仮住まいが必要になるケースがあります。特に「売却後に購入する」パターンでは、新居の入居日が間に合わなければ、短期賃貸や親族宅への一時的な転居を検討する必要があります。
引越し費用の増加や、生活環境の変化によるストレスを最小限に抑えるためにも、売買契約時点でのスケジュール調整は非常に重要です。
4. 買い替えを成功させるためのコツ
事前のシミュレーションが重要:売却価格、住宅ローンの借入可能額、諸費用などを試算し、買い替えの全体像を把握する。
不動産会社選びは慎重に:買い替え経験が豊富な営業担当がいるか、売却と購入をワンストップで対応してくれる体制があるかを確認する。
ローンの事前相談を早めに:住み替えローンやつなぎ融資の適用可否を含め、複数の金融機関に相談して選択肢を把握しておく。
余裕を持ったスケジュールで動く:焦って購入や売却を進めると、条件の妥協や価格交渉の不利などにつながるリスクがあります。
まとめ:住み替えは「売り+買い+資金計画」の三重奏
不動産の買い替えは、タイミングと資金がカギになります。売却と購入、どちらを先にするかによって取るべき行動が異なります。
初めての方は特に、「焦らず・無理せず・段取りよく」進めることが成功への近道です。分からないことは不動産会社や住宅ローンの専門家に早めに相談し、計画的に進めましょう。




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